プラタナスエスケープ【約束のネバーランド】 (ページ11)

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▽10話ページ11

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ノーマンは「早すぎる」と呟いた。

「ママはまるでナイラがどこにいるかわかっているみたいだった」

それについては私も思うところがあった。

施設(ハウス)の敷地は広い。それなのにママはコンパクトを一度見ただけで迷うことなく森へ入ってナイラを連れて帰ってきた。まるで発信器でも付いているような…

そこまで考えてハッとした。

『「発信器… 」』

考えることは同じらしい。エマと私の声が被った。だが彼女には私の声が聞こえていないようだ。ただ呆然とママを見つめている。

どうしてもっと早くに気が付かなかったのだろう。たしかにママは昔から私達を見つけるのが早かった。どこにいても、すぐに見つけてくれた。もしもそれが発信器のおかげだとしたら。

あのコンパクトは時計ではなく私達の居場所を把握する為のもの。ということは＿＿＿

＂私達の体のどこかに発信器が埋められている＂

『 …恐ろしいね』

「何が？」

『わ。驚いた…ギルダ』

「さっきから何を考え込んでるの？もうみんな中に入っちゃうわよ」

辺りを見ればみんなハウスへ戻っていくところだった。

ギルダが声をかけてくれなければ置いてけぼりだったな、危ない危ない。

『ありがとうギルダ。気付かなかったよ』

「もう。すぐ夢中になるんだから」

洗濯物を取り込む子、部屋に戻る子、夕食の準備をする子各自の役割を全うする為に各々散らばっていく。

私も夕食の準備をする為食堂に向かう。食堂には既にレイがいて、レイも私に気付いたようだ。

「 2人に声はかけられたのか？」

『いいや。だけどさっき… 』

「わぁーっ！！」

パリンッ、と食器の割れる音と誰かの叫び声。

仕方ない、この話はまた今度にしよう。

「うわぁんごめんなさいお皿わっちゃった… 」

『怪我はない？大丈夫、後で一緒に謝りに行こう』

「うんっ… 」

「 A、ほうきとちりとり持ってきた」

『ありがとうレイ』

誰かが怪我をしてしまわないように素早く片付ける。

集めた破片を袋に入れるとレイが手を伸ばす。捨てに行ってくれるらしい。なんてできた兄弟なんだろうか。

『さ、夕食の準備の続きをしよう。みんな手伝ってくれるね』

「はーい！」

みんなは元気の良い返事と共にぱたぱたと動き出す。

準備が終わったらベルを持って他の子達を呼びに行かなくてはね。

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