▼1話 ページ2
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＿＿＿カランカラン
ぴったり6時。
「 みんな起きてー！朝ごはん遅れるよー！ 」
私の声でもそもそと起きてくるみんな。まだ眠そうな子や寝起き早々元気な子いろいろな子がいる。
「 エマくつはけない〜 」
「 ひもむすべない〜 」
「 今行くー！泣かないで 」
みんながワァワァと騒ぎながら準備をする中、未だ膨れているベッドが1つ。
枕に濃藍の長い髪を散らばせて規則正しく布団を上下させている彼女は、私と同じくこの施設の最年長だ。
「 起きてA！朝だよー 」
『 …………起きるよ………… 』
「 着替え置いとくから、ちゃんと起きるんだよ！ 」
か細い「 うん……… 」という声と同時に布団を頭まで被り直し、再び寝息を立てるA。彼女は毎朝こうなのだ。
かれこれ10年共に暮らしているけど、彼女が時間通りに起きてきたことは両手で足りるくらいしかない。よく夜中まで本を読んでいるし、当たり前っちゃ当たり前なのだが。
「 Aまだねてるの？ 」
「 よーし、フィル、クリス、ジェミマ！Aに突撃！ 」
「 あいあいさー！！ 」
私の掛け声でAの元へかけて行き、勢いよくダイブする3人。小さく「 うっ… 」という声が聞こえた気がしたけどしーらない！
「 おきてねぼすけさん！ 」
「 ねぼすけA！朝ごはんなくなっちゃうよ！ 」
「 ごはんいっしょに食べようってやくそくしたでしょ！ 」
3人の起きろ起きろ攻撃に観念したのかのそのそと体を起こすA。今日は昨日より10分早いね！
『 おはよう… 』
「 おはよー！ 」
「 おはようA！ちゃんと着替えて食堂来るんだよ！二度寝しちゃダメだからね！ 」
『 しないよ… 』
まだ眠そうなAに釘をさして、私はフィル達を連れて部屋を出た。
気づけば最年長。
性格も年齢も肌の色もさまざま。私達に血の繋がりはない。でも、
＿＿＿でも大好き。
『 おはよう。まだ手伝えることはある？ 』
「 おはよ。もうあらかた終わったよ。もう少し早く起きてこいよな 」
「 今日は昨日より10分早かったよ！ 」
「 本当にAはお寝坊さんだね 」
これが私達の普通。
10年間疑ったことすらなかった当たり前の日常。
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かと - 初めまして！とっても面白くて素敵な作品ありがとうございます！！☺︎読んでいてとても楽しかったです。これからも応援しています！ (3月19日 0時) (
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作者名：ちょき | 作成日時：2023年10月21日 13時
