イケメンでも冷戦状態ならば関わらない方がいい事もある。 ページ15
憂鬱である。
いつもなら一番早く教室についているが、今日は少し遅れて行った。
｢黛さん！昨日の人達って誰！？｣
教室の扉を開いた途端これだ。
｢すっごいイケメンだったよね！！｣
｢可愛い女子もいたよね！！！｣
普通に説明するのが面倒くさい。
櫻子はともかく、元刀剣男士らと仲良くもないので友人とは呼べないだろう。
が、苦笑を顔に張り付けて簡潔に述べておく。
｢小学生の時の友人だよ。｣
こういうのは返答を無駄に長引かせると後々が大変なことになる。
私は知っている、小学生の時のあの肉食系女子達が嫌がらせをしようと画策していたのを。
今思い出しても恐ろしい。
靴の中に黒い悪魔を入れようとしていたのだ。
つらつらと思い出を振り返っている間も女子達の会話は盛り上がっていく。
｢あの中に好きな人いないの？黛さん！｣
｢残念ながらいないよ、茅野さん。｣
むしろ、いたらビックリだわ。
｢えー！？じゃあ気になる人は？｣
｢残酷なことにいないよ、中村さん。｣
残酷なまでに元刀剣男士との中は冷えきっている。
まさに冷戦状態だよ。
｢でも、あんなイケメンな友達がいっぱいでいいなぁ。｣
涙腺がブチ切れた。
｢うわっ！ど、どうしたの！？黛さん、大丈夫！？｣
｢ｸｩｯ、涙を人に見せるとは！一生の不覚！！｣
｢えっ！？本当に大丈夫！？！？｣
なんか周りに皆が集まってきているが、涙が溢れて止まらない。
｢顔を合わせるが最後！繰り広げられる舌戦！遊ぶたびに起こる櫻子の誘拐その他もろもろ！！女子による嫉妬の結果！あぁら不思議！靴の中に黒い悪魔が！！！私の靴の被害は防げませんですた！ハイ残念！！それよりも早くあいつら誰でもいいから櫻子に告白しろや！！！恋愛喜劇に！巻き込まれる！私の身を考えろ！！白髪増えてきたわボゲェ！！ストレスマッハだわ！姑がごとく私を！いびる前に！！はよ！ゴールインしろやあぁァァｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！！！！！｣
黛 A。 魂の叫びであった。
｢…えっと、中学生で結婚はまだできないよ！ね！渚！！｣
｢そこ突っ込むとこじゃないよ茅野。｣
｢先生はいつ入ればいいのでしょうか……。｣
殺せんせーが私の後ろに立っていた。
正直すまんかったと思っている。
続く
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作者名：曼珠沙華 | 作成日時：2016年8月8日 18時
