まちがいさがし2nd Story【男主】【ブルーロック】

53＃お姫様抱っこ ページ15

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｢…………は？｣


僕に持たれかけられた二コくんは、数秒固まった後上記のセリフを吐いた。


『むり、歩けないおんぶして……』


もう一度言う。僕は疲れていた。

普段なら｢おんぶして｣だなんてセリフ言うはずが無い。流石にそこまで他人にやらせようなんて思ってない。

だが正常に機能していない僕の脳はナギとミカゲの姿が脳裏を過った事により、｢疲れたらおんぶしてもらおう！｣なんて馬鹿げた認識をしてしまっていたのだ。


｢の、野鳥くん……大丈夫ですか？｣


ほら、二コくんが真面目に心配してる。心配してるのは頭の方が体の方、どっちだろうね。どっちもか。

僕が返事する気力も失せていると、ヒオリがこちらに近付いて来た。


｢お姫さん、ニ子くん困っとるよ。僕がおんぶしたるからこっちきぃ？｣


そんなヒオリの声が聞こえる。その後二コくんも何か言って、それにヒオリが何か言って……


何か言い合ってる2人の会話を聞きながら、もう誰でも良いから僕をおんぶして……と思っていると、急に体に浮遊感が走った。

僕はその浮遊感の正体を知る為に目を開ける。


『…………ツルギくん？』


そう、浮遊感の正体は、ツルギくんが僕をお姫様抱っこしたからだった。


｢野鳥、大丈夫か？今から医療(・)室に行くか？｣


そんなツルギくんの声が聞こえる。


『ツルギくん…………多分それ、医務(・)室だと思う……。あと医務室は行かなくていーよ。ちょっと眠いだけだから』


僕は眠気で閉じかけている瞼を必死に開けながらそうツッコむ。


だが結局僕は眠気に抗う事が出来ず、ツルギくんにお姫様抱っこされながら眠りについた。

起きたらちゃんとお礼言おう……と思いながら。





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モニタールーム

ＮＯside


｢……あっ、彼、寝ちゃいましたね…。やはり3人で4人チームと戦わすのは少し無理があったんじゃないでしょうか？｣

｢いや、これで良かったんだよ。アンリちゃん｣

｢良かったって……選手の1人が寝てしまう程疲れているのにですか？｣


帝襟は絵心に問う。

絵心は、｢まぁ今は分からないだろうけどそのうち分かるようになるんじゃない？｣と少し馬鹿にした口調で帝襟に言った。

帝襟はその言葉に少しだけムッとしたものの、反論してもどうせ論破されるから言うだけ無駄だと心の中で自己解決をした。

そして帝襟はチラッと絵心の横顔を見る。


その絵心の視線の先には、野鳥が映ってるシーンの試合動画が流れていた。

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