隣で笑って8【赤羽業】 (ページ19)

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宗形side

宗形「伏見くん。

牢の見回り、今日は私が行きましょう」

伏見「了解です」

牢は隊員が日替わりで見回る。

逃げようとしている素振りや助けを呼ぼうとしている素振りをしていないのかをチェックする

「今日のディナーは随分貧相なんだな。

何時も引きそうなくらい高級な物が出てくるのに」

宗形「あなた方は訳ありの罪人ですからね。

それなりの対応はさせて頂いているつもりです。

今夜はあなた方の娘さんのクラスが作った「どんぐりつけ麺」ですよ」

「……そう…。元気でなによりよ。

良いお友達ができたのね」

宗形「少々愛され過ぎている、とも取れますがね。

………良いのですか？事実を言わなくて」

「言ったところで変わりはしない。

俺達の愛娘は俺達を酷く憎んでいる。

無理もないさ。無理矢理っていう形で暗殺者をしたんだから」

「それでも、あの子が生きていてくれるのであれば私は何も望まないわ。

許してもらいたいだなんて口が裂けても言えないわ」

……親バカですね、相変わらず

宗形「あなた方の処刑日が決定しました。

来年、1月の中旬です。

詳しい日程は近くにならないと決められないという事をご理解ください」

「思ったより長いのね」

宗形「娘さんに会いますか？」

「人が悪いな、アンタも。

今あっても憎しみが表に出て話をしてくれないさ。

そうだな、アイツが全てを知った時にでも会うとするよ。

俺達が生きていたらな」

宗形「ｸｽｯ。

会えるといいですね」