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仏頂面で私達はディスプレイに目を戻し、気を取り直す
伏見:12月26日、"サプライズ・パーティー"の集合時間は夜11時。
年末のそんな時間に、自分の部屋で机にかじりついているはずの大勢の受験生が家から抜け出す
『そして家から消えた分の人口が鎮目町に集まる。
jungleを動かしている連中も鎮目町の動きに目を向けてるはず。
その間に私達はjungleの"中"を狙う』
八田:あっと言わせてやろうぜ。
A、猿比古、お前らとだったら世界だって乗っ取れる気がしてくる
ロフトの下から両手で握り拳を作り突き出してきた。
擦り傷がかさぶたになりかけて赤く腫れあがっている。
ロフトの上から私達も手を伸ばし、ごつん、とそれぞれ突き合わせた。
自分達みたいな中学生が本気でjungleを乗っ取る計画を立てている。
美咲と猿美以外の誰に話したところで、子供のごっこ遊びだと笑うだけだろう。
でも二人は笑わない。本気でやれるって信じてる。
"世の中"がどうなろうと、本当はどうでもよかった。
こんな理不尽でゴミクズな世界欲しいとも何とも思わない。
ただ、学校とかの小さな否定を世界でくすぶって文句言ってるだけじゃなくて、もっと圧倒的な力を持った、大きな存在にだって刃向かえる力が自分達にはあるんだって、それを証明したかった
『赤い怪物すらコケにしたjungleを私達がコケにする。
1週間後には世界のスゴイ人達の勢力図がちょっと変わってるかもね』
負ける気はしない。いくらでも大きな事が言えた
伏見:クソつまんねぇ世界を俺達でひっくり返す
八田:けどさ、ひっくり返しても面白くなかったらどうするんだ?
『絶望するしかないだろうけど、そうなったらもう宇宙に飛び出して太陽に突っ込む方法でも考えようよ』
八田:それもいいな!
超イカした宇宙船造って、超クールに突っ込もうぜ!
綿密な実際的な計画と、壮大で漠然としたくだらない話とを夜が更けるまで飽きる事なく語り合った
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作者名:神夜 | 作成日時:2017年4月8日 21時