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"赤の王"と、十束というその部下の男に保護されて俺らがバーHOMRAに着いた時には、バーの前に群がっていた暴徒。
もう暴徒と言い切ってもいいだろう、それらは蜘蛛の子を散らすように逃げていた。
バーが暴徒に囲まれ始めた時"赤の王"と十束はちょうど外出中で、連絡を受けて戻ってくるのに少々時間がかかったらしい。
"赤の王"の不在をjungleが敢えて狙ったのかどうかはわからない。
とにかく"赤の王"陣営を煽って"赤の王"本人に腰を上げさせるという、一定の勝利条件は満たしたといったところなのだろう。
草薙という、関西弁ののっぽの男だけが俺らの顔を覚えており「何や、尊も十束も知らんで拾ってきたんか」と呆れていた。
以前ネットにアップされた隠し撮り写真にしても、今回の襲撃にしてもjungleのちょっかいである事は"赤の王"陣営も把握していたが、反撃しようにも直接的な相手が一般人である為手を出しあぐねていたようだ。
この辺りは俺が読んだ通り。
結局未だ何がなんだかわからないのは━━━
要するに《jungle》とは何なのか?
そしてこのバーHOMRAを根城としている、この一味は何なのか━━?
草薙:うちもjungleの実態はよう掴んどらんねん。
はっきり教えられる事は、うちも向こうさんも、"王"を戴く集団、クランや
そう言って、店の真ん中のソファでふんぞり返って煙草を吸っている男に目をやった。
王が座る玉座にしては、それはただのソファだ。
しかし騒動の事などすでに関心がないような顔で泰然と煙草をふかしている男には、"王"と言われて納得できる、何か強烈な存在感があった。
"赤の王"━━━周防尊、というらしい。
本物の、特別な力を持つ男
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作者名:神夜 | 作成日時:2017年4月8日 21時