存在【K】 4 (ページ2)

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『あとハッキングツール走らせる用のパソコン組んだ。

端末だけじぁさすがに無理だからね』

八田：指令室って感じになってきたなっ。

この時点で勝ったような気がしてきたぜ、俺

伏見：バーカ。まだ始まってもいないだろ

八田：じゃあ負ける可能性考えてんのかよ、猿比古？

伏見：まさか

即答すると、美咲は気合いの入った顔で頷いた

八田：だよな。

オレの猿比古とAが組んで、負ける気なんてこれっぽっちもしねぇ

戦隊ヒーローものの指令室といえば、煌々とした照明に照らされた近未来的な空間にモニターがずらりと並んできたりする。

が、此処は精々アマチュアのラジオ局といった感じだ。

猿比古は中腰にならないと脳天を擦る高さのロフトスペースを、デスクスタンドの灯りだけが照らしている。

ロフトを下りると普通に立って歩ける高さの居住スペースがあるが、そっちにはまな荷物はほとんどない。

基地として整備を先行して進めてきた。

アジトを本気で探そうという話をしてから1ヶ月。

中学生が保証人もなしで借りられる部屋なんて普通に考えれたらあるものじゃないが、美咲が言っていた通り、鎮目町のアンダーグラウンドな不動産屋はその辺の条件が緩かった。

戦闘機が出撃する屋上のヘリポートも、用水路から秘密の地下道で繋がっている地下室も、残念ながらない。

代わりに梯子で上り下りする3畳くらいよロフトがある。

雑居ビルの1階で、前は何かの店舗だったらしく壁と床はコンクリート打ちっぱなし、天井にはダクトが剥き出しになっている。

がらんとした四角い空間だが、キッチンと風呂とトイレはちゃんとついている