隣で笑って 7【赤羽業】 (ページ10)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:14,192 hit

213 ページ10

in 理事長室

理：これが彼女の退学書だよ

『ありがとう理事長』

さてと、んじゃオレも一芝居して……

理：聞いてもいいかな、それをどんな風に使うのか

『……ダーメ。

タネを明かしたら面白くない。

東雲姫稀には悪魔にその身を捧げてもらうってだけ教えておくよ』

理：つれないね

『理事長も来たかったら来ていいよ？

東雲姫稀の生け贄ショーに』

理：行きたいのはやまやまだが、私は多忙な身なのでね。

良い報告を待っているよ』

理事長はE組で起こる差別なんかには手出ししない。

落ちこぼれ同士で何をしようがエリート校舎に被害は出ないから。

つまり旧校舎、E組はこの学校では"他人扱い"に等しい。

他者が何をしていようが自分らには無関係、そんな具合だろう。

………此処がそういう学校で良かった…………

『ねぇ理事長。

理事長はどんな事があってもE組には一切手出ししないよね？』

理：……そうだと言ったら、どうする気だい？

『E組には人権がないって解釈する』

これで「そうだ」って言ったら、理事長としてどうかと思う

理：ああ、私は何があってもE組には一切手出ししないよ

・・・・

理：もし君がA組に来てくれるのなら、大人の権力を使って東雲さんを学校から追放してあげられるけど、どうする？

『結構。ジジイの力なんて使わなくっても東雲くらい自分で追い出せるし』

理：それは残念だ。

来てくれたら、君に付きっきりで特別授業(洗脳)してあげたのに

『……オレも残念だよ理事長。

それが現実になったら親孝行(抹殺)できたのに』

理：『あは、あっはははは』

理事長室の窓ガラスにヒビが入っていたり入っていなかったり。

まぁそんなこんな、無事退学書をゲットしたオレである。

このまま旧校舎には戻らず猿比古の部屋へ行った