存在【K】2 (ページ6)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:11,085 hit

42 ページ6

扉から首をっ込めて端末を見ると、大貝からだった。

端末に登録されている非常に数少ない女子の連絡先

八田：お、おおおう大貝？ど、どした？

大貝：「美咲くん、猿比古ん家に行ったんでしょ？」

八田：おっ、おう、何でわかったんだ？

調度今家の前に居て……。

此処ってマンションじゃねーのか？

大貝：「1世帯ですよ。

その家、鍵かかってないから勝手に開ければいいです」

うん、もう開けちゃった

八田：鍵かかってないって……不用心だなぁ。

こんな見るからに金持ちそうな家、空き巣に狙われ放題じゃねぇか

大貝：「昔実際に入られたんですよ。

猿比古とAだけがその家に居た時だったらしいです。

それ以来どうせ泥棒に入られるんだったらって、鍵かけない代わりに持っていかれて惜しいものは置かないようにしてるって事です。

可笑しな発想の家です。

猿比古の部屋は2階に上がってすぐ、1つ目です。

高確率でAも居るはずです。

ソイツら、お手伝いさんが作っていくもの食べないで何時も買っててきてるから、もし両方自力で買いに行けない状態だったら何も食べてないと思うです。

まぁでも、Aに限っては何も要らないって言うと思うです。

アイツは偏食が激しくて、肉類全般嫌う奴ですから。

阿耶からの情報は以上です。

阿耶は今日、どうしてもママの買い物に付き合わなきゃなんでそっちに付き合えないんです。

しょーーーがないから美咲くんに任せるんです」

言い方がやたら刺々してる

大貝：「はーいはいママ、今行くってばー。

じゃ、ママが煩いから切るですよ」

八田：あ、ああ、サンキューな

大貝：「用が済んだらすぐ帰りやがれです。

アイツらの鬱陶しがるですから」

電話を切手から、改めて扉に顔を寄せて中を覗いた

八田：えーと、お邪魔しまうおっ………、す……

大声っていうほどの声じゃなかったのに、思った以上に響いたらので初っ端からうろたえた