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何か今日持っていかなきゃいけないプリントとかあるだろ!?
━━━━と担任にを押し切って住所を聞き出し、急ぎでもなさそうなプリント2枚引ったくって、行ったことのない方角のバスクに乗った。
何でもいいから自分の中で"口実"が必要だった
八田:でけー家………
傘の下からその家を見上げてしばらく気後れしていた。
外国の洒落た映画にでてきそうな、両開きの窓が教免にたくさん並んだ赤煉瓦の外装の洋館が、車が行き交う大通りに倒れかかってきそうなくらい接して建っている
八田:あ、そっか。マンションだよな。
これ全部伏見ん家のわけねーよな?
ブロンズ色の重厚な扉の脇にインターフォンがあったので、管理人を呼ぶものだろうかと押してみた
八田:誰もいねぇのかな……
カニ足で壁に沿って移動し、1階の窓をひょこっと覗く。
天気が悪い屋外よりも屋内の方がもっと暗く、ガラスに自分の顔が映るだけで中の様子は窺えない。
またカニ足で玄関の前に戻り、雫を象ったような彫刻でできた、なんだか素敵っぽいドアノブをものは試しと掴んでみたら………
まわった
八田:げ、開いちまった
ノブを引くと屋外以上にひんやりと湿った空気が流れでてきた。
ど、どうしよう……
そう思いつつも首を伸ばして扉の隙間に顔を寄せた時、尻のポケットの中で端末が震えだしたので跳びあがるほどビビった
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悠紀(プロフ) - 続編おめでとうございます またこれからも拝見させて頂きます!頑張ってください。 (2017年3月13日 8時) (レス) id: 8bd27ddb79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神夜 | 作成日時:2017年3月12日 15時