存在【K】2 (ページ22)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:11,081 hit

58 ページ22

八田side

放課後、穂崎の家へ向かった。

また担任にプリントをかっさらって

八田：……此処が、穂崎の家か………？

伏見の家よりも大きな建物で、周りに建っている家が貧相に見えてしまう。

インターフォンも鳴らさずにまるで自分家のように入っていった伏見

八田：お、おい、いいのかよ

伏見：どうせ誰も居ないし

そんな泥棒みたいな理由でいいのか？

伏見の家より1階多く、穂崎の部屋は3階にあるらしい。

幅の広い階段を一番上まで上がっていき、手前の部屋の前で止まりノックもせず入っていった

一応女の部屋だよな？

伏見と穂崎の関係って本当に何なんだろうという疑問を抱えながら、俺は緊張気味で入った。

生まれて初めて女の部屋に入るから、どんな気持ちで入っていいのかわからなかった

伏見：八田がどうしてもプリント渡したいって

間違ってねーけど、俺どうしてもなんて言ってねーよ

穂崎のベッドに正座するように股を少し開いて座り、穂崎は背中を預けるように伏見によりかかった

八田：よう、穂崎。勝手に上がり込んで悪ぃな。

これ、担任に頼まれたプリントなんだけど……

『要らない』

プリントを渡そうと近寄ると、鋭く尖った言葉が出てきた

『八田君は要らない。

猿比古だけ居ればいい』

八田：穂崎……？

『帰って』

俺と目を合わせず言葉だけが俺の方を向いていた

伏見：……八田。

近くにコンビニにあったろ。何か飲み物買ってきて

八田：あ、ああ

また勝手に押し付けていたのかな……。

飛行船の時、穂崎が来てくれて嬉しかった。

けどアイツは俺となんか一緒に居たくなくて、俺が伏見を誘ったから来たのかな…

八田：穂崎と仲良くなりたい……

そう思うのはやっぱり、もう一人にはなりたくないからなのかな…