慰めて、研磨

#17 ページ17

『明日、話がある』



昨日、家に帰ってアプリを開くと
研磨からメッセージが来ていた。

何の話だろうか、思い当たる節がありすぎる。


『分かった』とだけ返信をして、それ以上会話は無かった。


学校を休むことも考えたが、
それは研磨から逃げているようで私には出来なかった。


学校に来たのはいいけど

研磨にどんな顔して会えばいいんだろう。



「おはよう」



昇降口で立ち止まっていると
研磨が袖を掴み、俯き加減で言った。


ほら、そういうトコ。可愛くて仕方ない。



「お、おはよう…」



昨日のこともあり、気まずい。


話って、今話すのかな？



「教室行こ」

「あ、うん」



研磨から切り出すのを待っていたら、腕を引かれた。

さっきから一度も合わない目を合わせたいと思う。



「け、研磨。昨日は、その…」

「いい」



謝ろうと思ったのに、遮られた。



「別にいい」



その優しさに、また泣けてくる。


研磨は私を振り返ると、頬を朱に染める。



「嫌だったけど、その…びっくりしたというか
別にAが謝ることじゃない。

あの人達に言われてしたんでしょ…？」



私は涙を堪えて頷く。

けど、やっぱり堪えきれなくて零れる。


研磨が涙を拭ってくれて、優しい笑みを向ける。



「俺、Aが好きだよ」

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