#15 ページ15
「あ、起きました？」
「Aちゃん、俺…？」
岩泉さんが去ってから10分位経った頃、
及川さんが目を覚ました。
「倒れたんですよ。
全く…練習のし過ぎなんですよ」
私がちょっと怒ったフリをすると、
及川さんはへらりと笑った。
「ずっと、待ってたんだよ。Aちゃんが来るの」
「え…？」
「練習してたらいつかAちゃん来るかなー？
って、ずっと待ってたんだよ」
及川さんをこうさせたのは、私。
マネージャーである私が、
選手をこんな状態にさせるなんて…。
「それは…すみません」
頭を下げると、上に及川さんの手が置かれた。
「理由、聞かせてくれる？
Aちゃんが部活に来ない理由」
私が部活に行かない理由…
それは、
「…及川さんが嫌いだからです」
それを聞いて及川さんは焦って動揺してる。
「嘘です」
本当は…
本気で練習している選手たちに
私が着いていけないっていうのと、
こんなに頑張ってるのに、
報われない事実に耐えられないから。
「どうしてそんなに頑張るんですか？
頑張った分だけ、負けたら悔しいじゃないですか。
…もし予選で上がって、白鳥沢にも勝って、
全国行って全部に勝って
そして、全国優勝したら、
そしたら及川さんは満足するんですか？
じゃあその先は？
満足したら終わりですか？
私には、そうまでして頑張る理由が分かりません」
気づいたら息切れしていた。
生意気ながら及川さんに捲し立ててしまった。
「それはね、Aちゃん…」
私の思いを受け止めてくれた及川さんは
俯いている私の頬に手を添え、口を開いた。
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夜桜伊織(プロフ) - ハルさん» わっ、1年も経つんですね！？そう言って頂けて凄く嬉しいです！！ (2020年6月4日 0時) (
レス) id: 022836b4c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 一年越しで本当に申し訳ないんですが、この作品すごく好きでした！！！ (2020年6月3日 14時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜伊織 | 作成日時：2019年5月23日 20時
