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教室に戻ると、
矢巾が心配して駆け寄ってくれた。
「遅かったな、何かあったのか？」
私はさっき国見くんに会ったことを伝え、
更に質問を投げかける。
「ねぇ矢巾。皆、調子どう？」
さっき国見くんに言われた
及川さんが無茶しちゃうって言葉が
妙に心をざわつかせる。
「いつもと変わんねぇよ。
でも、強いて言うなら…皆落ち込んでるかな」
「落ち込んでるって…」
「まあ自分の目で確かめて見ろよ」
俺が傍に居てやるから。と私の背を叩き、席に座る。
私は放課後部活に行くと決心した。
.
あぁ、怖い。
皆になんて言おう。
どうしたら許してもらえるだろう。
「…Aか？」
体育館の入り口で立ち止まっていると、
後ろから岩泉さんの声がした。
私は振り返ると「すみませんでした！」と
勢いで頭を下げる。
顔を上げられずにそのままでいると、
上から「何がだ」と返事がした。
その声には棘があり、深く心に突き刺さる。
「えと…一週間、部活をサボってすみませんでした」
やっと顔を上げ、岩泉さんを見て言う。
凄く、怒っているのが分かる。
「何故、サボったんだ？」
「…すみませ」
「謝るな。理由を言え」
私が何も言えないでいると、
岩泉さんが続けて口を開く。
「お前が入部する時、言ったよな？
中途半端な奴が一番嫌いだ、って」
必死に涙を堪え、小さく頷く。
「来たくないなら来なくていい」
そう、吐き捨てると、私の横を通り過ぎる。
「そんなに俺らが頼りないか？」
微かに聞こえた消え入るような声、
振り返るともう扉が閉められていた。
岩泉さんの左足には、
ミサンガはついていなかった。
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夜桜伊織(プロフ) - ハルさん» わっ、1年も経つんですね！？そう言って頂けて凄く嬉しいです！！ (2020年6月4日 0時) (
レス) id: 022836b4c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 一年越しで本当に申し訳ないんですが、この作品すごく好きでした！！！ (2020年6月3日 14時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜伊織 | 作成日時：2019年5月23日 20時
