#04 ページ4
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「国見ちゃん！一緒行こっ」
「あー、うん」
もう1ヶ月も経つのに、制服というのは未だ着慣れない。
少し浮き足立って気だるげな背中に声を掛ければ
なんとも適当な返事が返ってきた。
「部室の鍵返さなきゃだから職員室寄ってい？」
「んー、じゃあ俺ここで待ってるわ」
この先を職員室と1年の教室に分かれる廊下で国見は待機。
着いて来てくれてもいいのに、なんて待ってくれるだけ良しとしよう。
職員室のドアを開け、身分を名乗り鍵を返しに足を踏み入れる。
男子バレー部(物置)、と書かれたフックに鍵を引っ掛けた時
担任の先生に呼ばれた私はクラス分のノートを託された。
「そいえば今日、日直だったわ」
「どんまい」
励ます国見は両手をポッケに突っ込み、欠伸をする。
手伝う気はゼロですね。うん、期待はしなかったけど。
「ねぇ」
「ん？」
ノートで上手く足元が見えない。
踏み外さないようにゆっくりと緊張しながら階段を登る。
「ホントに行くの？」
急に口を開いたかと思えば、国見は何が言いたいんだろうか。
「何処に？」
私がそう訊き返せば「昼休み」とぶっきらぼうに。
会話に脈絡は無いが、何となく伝わった。
きっと国見は
『本当に昼休みは先輩と一緒にご飯食べるのか？』
って言いたいんだろう。
そんなことサラッと訊けばいいのに、
国見は意外と不器用で素直じゃないんだなぁ。
「行かないで欲しい？」
なんて、ちょっといじわる言ってみた。
でもきっと国見のことだから『別に』って言うだろうね。
「どうせ行くんでしょ」
「まーね。約束しちゃったし」
結局国見は最後までノートを持ってくれなかったけど、
教室のドアを紳士に開けてくれたから、まあ、いい。
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あずきいろ
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8
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零-レオ-(プロフ) - 氷咲＠氷珀さん» コメントいただきありがとうございます。今は改名しておりますが、夜桜伊織です。自分で読み返して恥ずかしくなったので表現など細かい部分を修正して再投稿しようと考えております。他の作品も少しずつ修正していきますので楽しみにお待ちいただけると幸いです。 (3月1日 15時) (
レス) id: 244404b707 (このIDを非表示/違反報告)
氷咲＠氷珀(プロフ) - ふと更新一覧から遡って記憶にあるタイトルを覗いて見ました。夜桜伊織さんの作品でしたね、あの頃よく読ませていただいていたなぁと思って来たのですがまた修正して投稿されるのでしょうか？楽しみに待っています！ (2月29日 21時) (レス) id: b0b4af51b9 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 終わった！？ (2月28日 8時) (レス) @page3 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 飾らなくなった夢主格好良かったです！少しずつ好きになっていくの、夢主がクズ人間でも応援したくなりました。素敵な小説をありがとうございました！ (2022年10月4日 18時) (レス) @page30 id: 812daaa6d6 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜伊織(プロフ) - チベットスナギツネさん» ありがとうございます！おかげで完結することが出来ました！ (2021年1月26日 22時) (レス) id: 022836b4c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零-レオ- x他1人 | 作成日時：2020年10月3日 22時
