センセイ。Ⅱ (ページ7)

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51. side.fk ページ7

あの日、佐久間が階段から落ちた日から

以前より佐久間を気にするようになった。

ーsk｢ふぇっ、せんせぇっ、ｸﾞｽﾞｯ、こぁかったぁっ｣

職業柄、生徒が泣くところなんて

何度か見てきたはずなのに初めての感覚がした。

悔し涙。悲し涙。嬉し涙。

佐久間の涙は何処にも属さないものだと思った。

俺がこの子を笑顔にさせたい。

そう、強く思った。

もうちょっとだけ、と言って控えめに握られた

スーツの裾は少し皺になってたけど、

気にならないくらい佐久間の手が震えていた。

ーsk｢、、、、すき、｣

あの時は聞こえないふりをしたけど

はっきりと俺の耳には届いてた好きの言葉。

困惑と驚きと嬉しさと色んなものが絡み合って

何も考えられなくなる。

佐久間が好きかどうかなんて、俺にだって分からない。

でも、佐久間の笑った顔を見ると胸が苦しくなる。

誰かこの気持ちの答え、教えてくれないかな、

阿部ちゃんに聞こ、、

……

帰り際、佐久間が足を引きずって歩いているのを見かけて

足を捻ったことが思い出される。

スーツから練習着に着替えて保健室まで猛ダッシュした。

急いで湿布を貰い校門へ向かうと

ギリギリ学校内にいる佐久間。

遠くから名前を叫んで近づく。

翔太の様子を見て足のこと言ってないと予想し

こっそりと渡す。

ふわりといつもの笑顔を見せてくれて、

きゅぅと、胸が締め付けられた。

佐久間はこれから目黒くんに会うらしい。

目黒くんは何かと佐久間と一緒にいるから

なんか苦手。

佐久間を取られている気分。俺の佐久間じゃないのに、

なんでだろう。

……

ab｢いやもう恋でしょ笑｣

fk｢っ、はぁ！？んなわけ、｣

仕事終わり、阿部ちゃんと照と、舘さんの4人で

いつもの居酒屋に入る。

聞きたかったことを阿部ちゃんに相談すると

3人ともが口を揃えて｢恋｣と言う。

生徒に恋なんか、、

dt｢てゆうかとっくに気づいてると思ってたよ俺は｣

iw｢同じく、ふっかの佐久間を見る目が違うもん｣

度数の弱いアルコールを飲みながら否定する。

fk｢、ぜってーちげーし、！！｣

そんなに酒に強くない俺は2杯飲むだけでこの状態。

iw｢素直になれって笑｣

dt｢期待させすぎると佐久間が可哀想だよ、？｣

そうそう、とあべちゃんも頷く。

期待なんて、、、、、させてる、か

認めたくなくて強めのハイボールを頼む。