お茶会�� ページ10
パタパタパタ……
パタパタパタパタ…
2人分の走る足音が、広い城内に響く
その足音の主たちが向かっているのは、ひとらんらんが管理している庭園だ
色とりどりの花々が咲き誇るこの場所は、普段は女騎士たちの憩いの場として解放しているのだが、今日のような特別な日はその限りではない
「『おまたせしました…!』」
「遅いゾ!」
「待ちくたびれためうっ!」
ひとらんらんの手塩にかけて育てた花々を愛でながら彼らはお茶会を開始した──
「ほらほら!もう準備できとるから、さっさと座るめう〜…あっ千鶴ちゃんは俺の隣めう♡」
先手必勝、とばかりに自分とのなりを勧めるオスマンに、
「あ"っ狡いぞオスマン!千鶴こっちにこい総統命令だっ!!」
すかさず、グルッペンがオスマンに対抗するように自分の隣の席を指し示した
「…ここでそれ使うのは大人気ないですよグルッペンさん」
「じゃあかしい!この童貞！」
「はぁ!?い、今それ関係ないでしょうが!?!?」
「もうっ!千鶴ちゃんがいるのにそんなこと言っちゃダメめう〜〜!」
下ネタ言う男は嫌われるで〜、ねー千鶴ちゃん♡と小首を傾げて話すオスマン
「「お前が言うか!?/貴方が言いますか!?」」
『ふふっ』
わいわいと言い合うのを皮切りに、久しぶりの楽しいお茶会がスタートした
エーミールのいれた美味しい紅茶を飲み、オスマンとグルッペンの用意したスイーツを食べ、彼らの面白おかしいエピソードを聞く
「─そん時はマジでトントンが鬼に見えたわ…」
「あんたが仕事しないからでしょ」
「めう」
「俺がキレたそん時相手国の外交官が…w」
「やばw」
「条約結ばんでよかったゾ……w」
「そうだ、千鶴さんにおすすめの本があるんです!帰りに寄っていけませんかね…?」
「出たイキリ警察」
「春無のくせによぉ」
「私の扱いだけ酷すぎませんか」
お茶会が終わる頃には、戦争によって傷ついた千鶴の心は、すっかり癒えていたのだった──
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作者名：桜巳 | 作成日時：2020年11月19日 11時
