彼の想いと覚悟 ページ39
乙「僕もこの指輪に.......神様ではなく里香ちゃんに誓うよ.......Aの傍を離れたりしない。この先一生を共にし、愛するのは君だけ。少なくとも、僕が生きている間は、君を絶対に死なせないし守り抜く。君は、死がふたりをわかつまでと言ったけれど、『死』のその先まで一緒だよ。例え生まれ変わったとしても、必ず君を見つけ出す。それが僕の覚悟だよ.......。だから.......君の想いも覚悟も受け入れるから、僕の想いも覚悟も受け止めて欲しい。」
貴「.......!」
彼女はとても驚いていた。だけどまだ僕の言いたいことは終わっていない。
乙「僕も君にお願いがあるんだ。君も自分の事を大切にして欲しい。前の時みたいに、僕や他人の為に自分の身体がズタボロになるまで、戦うのはやめて欲しい.......。正直本当に生きた心地がしなかったんだ.......。今は呪術師としての階級が4級まで下がった僕が言えることじゃないんだろうけど、またすぐ強くなるから.......だから、無茶だけはしないでね。」
君が僕を心配してくれているように、僕もまた君の事が凄く心配なんだ。もうあんな想いはしたくない.......。その為にも一刻も早く強くならなくちゃ。
貴「分かったよ。無茶はしない.......困ったら憂太に相談する。それにしてもお互い重い誓いね.......。」
乙「そうかもしれない.......けど僕は嬉しいよ。Aちゃんと同じ気持ちだと分かって。」
貴「そうね.......私も嬉しい。これから改めて、よろしくね憂太。」
乙「こちらこそよろしくね.......Aちゃん。」
僕らは見つめ合い、そして笑い合った。お互いの左手の薬指には、それぞれ誓いの証がはめられている。僕らの誓いは、天高く見守っている彼女に届いただろう。神様じゃなく、里香ちゃんに誓うのが僕ららしいとも思った。
貴「一応私達付き合ってるんだから.......そろそろ私の名前を呼び捨てにしてもいいんじゃない?.......さっきは1回だけ呼んでくれたの嬉しかったし。なんなら、私だってちゃんと憂太の名前、呼べるようになったんだし.......。」
乙「えっ?!.......なるべく早く呼べるように、頑張るよ!」
まずは、彼女の名前を呼び捨てで呼べるようにならなくちゃね。
こうして僕らは、以前とは違う関係性になった。そしてこれから先、また新たな季節がやってくる。僕らの年は上がり、この呪術高専で、学ぶ呪術師の後輩もやってくるだろう。何にせよ彼女が居れば僕は、どんな事が起きても乗り越えられる。これからも大切な人達を守れるように、強くなろう.......。そう心に刻み、今日もまたこの呪術高専に通う日々が始まるのだった。
END
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作者名:如月 | 作成日時:2023年1月25日 2時