【d！】ヒロイン属性、返品希望 (ページ10)

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１０話ページ10

昔からある教室に、ただ使い続けられている机と椅子があるだけ。

名も知らぬ誰かの青春が詰め込まれたその空間は窓から光が差し込み、何故か新しさを感じさせる。

机に貼られた自分の名を頼りに、自分の椅子を探す。

自分の名字的にはここらへん何だよな。

あっ、あったーーーー

一番窓側の後ろから２番目。

日当たりが良さそうなその席の後ろにはショッピが座っていた。

うわ～、終わった。

私は腹をくくって席に座る。

チーノくんは２列目の一番後ろ。

つまりショッピの隣だ。

やはり、離してくれないよな。

そろそろと全員が座り、担任が前へ立つとガヤガヤとしていた空気に急に緊張感が走る。

？「え～皆さんこの度、１年５組の担任となりました。猿山らだ男です。担当教科は体育。１年間よろしくな。」

えっ、体育なの？

今は教員は皆スーツを着ているので、あまり教科の見分けがつかない。

顔的に猿山先生は国語とか数学とか、主要教科教えてるイメージだったな。

それにしても、先生も若くてイケメンだなー

その後は、担任の自己紹介から始まり皆自己紹介をしていった。

私は注目を浴びるのが好きじゃないから、皆を見渡すように壁を見て当たり障りない笑顔と自己紹介をした。

ショッピは必要最低限、チーノ君は明るく。ふたりとも女子の視線が凄かった。