【d！】ヒロイン属性、返品希望 (ページ6)

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６話ページ6

ci「なぁA、一緒に行かへん？」

入学式をする体育館を指差しながら、彼は私にそう問いかけた。

断る理由もないので、私はそれを了承する。

周りにはもうグループが出来ていて、楽しそうに会話をしていた。

おそらく、中学からの仲なんだろうと、勝手に推測する。

巨人なチーノくんと、小さめな私。

彼としっかり目を合わせて会話をしようとすると、とてつもなく首が疲れる。早く椅子座りたい。

白と赤の紅白で飾られた「入学式」と書かれた看板の横を通り抜け、広くて綺麗な体育館に私達は入っていった。

席はクラスごとのようで、番号順を少し期待したが、クラスごと以外は自由でいいとのことだった。

チラチラと視線を感じながクラスの列を目指す。

私達の列の右端に少しキャッキャッソワソワしている女子と椅子にもたれかかっておそらく寝ているイケメンが見えたので、私はさっと左側に行く。

やはり、チーノはついてきて、私の隣にドサッと腰掛けた。

ci「あ～ねむ。」

ふわ～と大きく欠伸した彼。よくよく見るとふわふわとした髪にぴょんぴょんと寝癖がはねていた。

『もしかして、寝坊した？』

ci「え！正解や、何でわかったん？」

『めちゃめちゃ寝癖付いてるよ。』

えっーなんて、必死に寝癖を直そうとする彼に、私はくしと鏡を貸してあげた。