【d！】ヒロイン属性、返品希望 (ページ5)

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５話ページ5

巨人君の背をじっと眺める。

他の人の中でも、背が高い彼は人混みの中でも見つけやすい。

さてさて、彼は私にどんな気持ちを持つのかな。

おそらく、あのぐるぐる眼鏡の下はイケメンだと私の長年の経験が言っている。

それに、初対面の人に話しかけられる勇気があるってことは、コミュ力がありそう。

だから、影で私をこっそり見てたり、ストーカーする可能性は低そうだな。

かといって、油断は出来ない。

あの快活そうな性格の裏に、とんでもなく重い愛を抱えていた場合、私の身が危ない。

心中迫られるとか、もう嫌だし。

一旦、顔見知り程度で仲は留めておきたい。

私の名前を見つけたらしい彼は、こちらに向かってずんずん歩く。

一歩でかいな。

？「俺と同じクラスだったわ！」

あ、もう顔見知りとか無理かも。強制クラスメイトだ。

『本当！？これからよろしくね。え〜と、』

私は感情を数倍にしてリアクションし、ニコニコと人当たりの良い笑みを浮かべる。

？「橙(だいだい)茅野(ちの)。チーノって呼んでや。こちらこそ、これからよろしくな！名前、なんて呼んだら良い？」

『好きに呼んで良いよ！』

ci「じゃあ、Aって呼ばせてもらうわ」

おお、もう名前呼びか。やっぱりコミュ力高そう。