【d！】ヒロイン属性、返品希望 (ページ3)

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３話ページ3

桜が散り、地面がピンクに染まり始めた季節、我々高校の入学式が行われる。

新品の制服に腕を通す。

やっぱり少し大きい。

我々高校は男女どっちもネクタイなので母に教えてもらったとおりにつけた。

鏡で自分の姿を見て、OKを出した後、私は家を出るために玄関へ向かう。

行ってきますは言わない。

いってらっしゃいと返してくれる人が今はいないから。

私が高校入学のタイミングで決まった母の本社への移動。

私と夢であった本社への移動をかけて悩んでいた母の背を私はそっと本社へ押した。

だから、一人暮らし。

ほんと、タイミング完璧すぎる。

スマホから母にメッセージを送り、私は家を出た。

時間にしっかり余裕を持って、しっかり周りに人が居ないか確かめてから歩く。

イケメンとぶつかる可能性高いから

近さと偏差値で、選んだ我々高校。

歩きで行けるところが良かったんだよね。電車だと、痴漢される可能性高いし、フラグが立ちやすい。

でも、歩きも気をつけないと．．．．．

特に角。

近さで選んだからか、もう校舎が見えてきた。