【d！】ヒロイン属性、返品希望 (ページ2)

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２話ページ2

母と父が別れるまで、父から虐待を受けていたし、やっかみでいじめられたこともある。

昨日まで一緒に笑っていた親友が、私をいじめる子たちと一緒になって私をいじめて来たこともある。

つくづく私はヒロインだと自分でも思うようになった。

だが、ヒロインのような綺麗な心なんて、生帽持ち合わせていない。

私をいじめてきた元友達を激易したイケメン達から庇ったりなんてしなかった。

しのうとしているところを止めた男子に、依存されそうになったときはその矛先を別の人に向けさせた。

ナンパから助けてくれた人に、お礼をしたい気持ちなんて微塵もなく、ただ口先でお礼だけ言って走り去る。

段々と、感情が薄れ、執着心がなくなり、演技がうまくなる。

この世の母以外の人間は私にとって等しく同価値だ。

目の前で笑っているクラスメイトが明日死のうと、私の心は動かない。

同情はすれと、悲しみはない。心配はすれど、後悔はない。

私にとって目の前の人間はクラスメイトA。

クラス替えをしたら、どうせ終わる関係性。

だから、私は怒らない

怒るほど、なにかに思い入れなんてないから

だから、私は嘘を付く

対して思ってもいないくせに、自分の感情を倍に倍に誇張して相手に伝える。

笑顔で覆った裏側に、誰も知らない冷えた瞳が見つめている。

いつからか、私はひどく冷たい人間になっていた。