【d！】宇宙人にさらわれた。２ (ページ7)

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一番と特別ページ7

右腕のみを回し、一定のリズムであやすように彼の背を優しく撫でる。

突然ふわりと優しく、包み込むように回った彼の腕。顔を私の右肩に埋めて、彼は息を整える。

呼吸が落ち着いて来た時、彼はそっと顔をあげた。

zm「ホンマにごめん。」

申し訳無さそうに、だけどしっかりと私の瞳を見つめて

『うん。』

zm「Aと一番仲が良いのは俺やと思ってた。でもAがどんどん皆と仲よくなっていくから、俺、もう要らんのかなって、不安になって」

『うん。』

zm「だったら、もう、Aの一番になれないのやったら、壊してしまおうって、変なこと、考えて。」

『うん。』

zm「も、もう二度とせんから、お願いやから、お、俺を、す、す、捨てないで」

縋るように、まわされた腕に力がこもる。

『うん、捨てないよ。ゾムを捨てる選択肢なんて、私には無いよ。』

zm「ほ、ホンマに．．．．？」

『あのね、前も言ったけど私は皆が好き。』

うん、とどこか悲しげにゾムは目を伏せる。

『でもね、私が一番感謝してて、一番仲いいと思っているのはゾムだよ。』

zm「え、」

『だって、ゾムが一番最初に私に話しかけてくれた、一番最初に関わろうとしてくれた。さらわれた、って不安でいっぱいだった気持ちを和らげてくれたのはゾムだよ。』

『一番じゃないけど、特別。これじゃ、だめ？』

zm「うんうん。全然そっちの方がええ。うん、なんか安心したわ。」

彼の顔が綻ぶ。

それは、今日初めて見せてくれた笑顔だった。