【d！】宇宙人にさらわれた。２ (ページ4)

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彼も彼ページ4

やっと呼吸がもとに戻ってきて、ゾムがいないと分かると早鐘を打っていた私の鼓動は落ち着き始める。

ut「大丈夫そう？」

『あ、はい。大丈夫です。あの、ありがとうございました。』

ut「ああ、全然気にせんで。それより、目覚めたんやったら痛いとこないかちょっと確認するな。」

そこから、右肩を上げたり、左肩を少し触られたり、体全体で痛む部分はないか調べていった。

やっぱリ左肩を触られるのは痛くて、左腕も一定以上上げると痛かった。

ut「よし、ここまで治ってたら結構順調やで。肩は、傷残ってしまうかもだけど大丈夫？」

『はい、大丈夫です。』

元々傷だらけだった身体だ。今更傷一つ増えたところで、気にはしない。

ut「ゾム、会えそう？」

　

ゾムに、会う

『あ、あ、え、と』

ut「別に直ぐに会うとかやないよ。Aちゃんがやっ、て言うならここにおったらええ。欲しいもんあったら僕が取って来たる。．．．どうする？」
　

正直怖い。でも、私の知らなかった一面が出ただけで、彼は彼で、何ら変わってない。

それで、私が拒絶してしまうのは、ひどく彼を傷つけてしまいそうな気がする。

それに、今まで見せてくれた彼も彼なのだから。

例え、本性を隠すための、偽物だとしても。

『ゾムに、会います。』