【d！】宇宙人にさらわれた。２ (ページ16)

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漁夫の利ページ16

パチンっと越えてはいけないラインを越えた音が聞こえてきた。

その音に、羨ましさと高揚感を覚える。が、今は我慢。

ショッピにOKサインを出し、二人同時にタイミング良く扉を蹴飛ばした。

バタンっと音を立てて部屋が空く。

ブワッとAの血の香りが全身に回った。

これじゃショッピにAは任せられんな。

ci「ショッピはシャオさん止めて！」

syp「っ、分かった」

すぐさまショッピがAに馬乗りになったシャオさんを引き剥がす。

興奮状態になっているシャオさんはショッピに羽交い締めにされながらも叫び、藻掻いていた。

sha「おいっ、離せっっ！Aっ、A！」

恋人を奪われるような、怒声と悲痛な声。

俺はそっとベッドに横たわる彼女を抱え、部屋を出た。

横抱きにしているため、下を見れば彼女の惨状が見える。

おそらく引き千切られたであろう包帯が右腕を拙く覆い、服は破れ、傷は抉られたのか、少し肉まで見えている。

そこからポタポタと垂れる血。

ああ、もったいない。

でも、一度その甘美な味を知ってはもう、戻れない。

俺達にとっては酷く扇情的なその光景と先程聞こえてきたAの甘い声がフラッシュバックし、下半身が熱を持つのが分かる。

流石にこれは生理現象だから、許してなA。

俺は羽で飛んでしまいたい気持ちを抑えながら、Aを抱え、徒歩最高スピードで、医務室に到着した。