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先生「西畑〜、お前居残りな〜」
『居残り！？なぜにですか！？』
先生「今日何曜日？」
『金曜日ですけど』
先生「週直が金曜日まで一日も日誌書かんとはええ根性しとるな〜」
『週直…？』
準備室ショックから数日、
すっかり週直という存在を忘れていた。
ペアの西村も居残りの巻き添えにしようとしたら、
「俺は毎回黒板綺麗にしてたで！」
と言われる。
『え、嘘でしょ？』
拓「嘘ちゃうわ！誰かさんの分までしっかり働いたで？」
『なんでそんとき声かけてくれないの！？』
拓「いや言ったって、俺黒板の方やるから日誌頼むな？って」
『いつ！？』
拓「月曜！まあ準備室の妄想で忙しそうやったから、あんま聞いてへんかったかもしれへんわ。じゃ、俺部活あるから！」
『あ、ちょっと！』
あー行ってしまった…
けどまあ黒板消しの方が大変そうだし、
しゃーなしかー。
と、ペンを手に日誌に向き合うも、
２日以上前の授業内容なんてまるで思い出せなくて、
書き始めた手が早々に止まる。
数学の内容ならバッチリなんだけどな…。
ここで私の成績を説明すると、
数学だけ5でそれ以外は大体2か3のどっちか。
全教科正門先生ならオール5確実なのに。
なんて考えながら埋めた結果、
明らかに数学にしか興味がない人間が
書いたとわかる日誌になった。
『やばいかな… まあいっか。』
最後に書き漏れがないかをチェックしていれば、
手元が急に暗くなる。
視線を上げれば何故かそこには大西くんが立っていて。
『ひぃっ！』
風「ちっ、」
『ごめんなさいっ……ん？』
条件反射でとりあえず謝るけど、
果たして私はなにに対して謝っているのだろうか。
同じことを思ったのか、
「なんの謝罪やし」と言われてしまう。
『や、とりあえず謝っとこうかな、みたいな…』
風「変なやつ。」
『ははは…』
そっちが舌打ちなんかするからじゃん、
という文句は心の中に留めておく。
すると大西くんは西村の席に座って、
私の手元を覗き込んでくる。
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作者名：ふぉんと
| 作成日時：2022年12月27日 22時
