x = 27 ページ28
.
何を言われるのかと思えば、
3ヶ月も先の模試のことだった。
今のままだと志望校は厳しいから、
必要なら補修をすると。
安「外部模試って自分の実力がわかるいい機会だから、有効に活用してほしくて。」
『はぁ、…』
正直明確な志望校なんてまだわからなくて、
なんとなくで書いていました。
なんて言ったら捻り潰されそうだ。
安「早い時期からちゃんとした目標管理をすることで、効果的に対策できるでしょう？」
『あのでも、まだ2年ですし、流石に早すぎ…』
ついポロッと出たその本音は、
思いっきり地雷を踏んだらしい。
西畑さん、と呼ぶ先生は
笑顔だけど、目が笑ってなかった。
安「あなた、甘いのよ。」
『え、…』
安「ここ最近の授業でもまともに答えられてないし、集中できてないんじゃない？」
それは、先生がわざと難しいところを
当てるからじゃないんですか？
…とは流石に言えず、黙り込む私に先生は続けた。
安「何か集中できない原因があるのなら、先生に相談して？たかが臨時の担任だと思うかもしれないけど、貴方の力になりたいの。ね？」
『や、私はそんな別に…』
安「それとも…私には言い辛いような事なのかしらね？」
『ひっ、』
そこで先生の顔から笑顔が消えて、
怖いくらい真顔になった。
なんなの…
安達先生は、私に何を言わせたいの…？
急変した態度と、
考えてることがわからなすぎて、
ただ純粋に怖い。
とその時、聞き覚えのある声がした。
正「安達先生！ちょっと今いいですか？」
『っ！』
安「っ、はい！何でしょう？」
廊下の奥から、声をかけたのは正門先生。
思わぬ登場に驚いてしまう。
正「月末の会議のことで相談があって、…」
安「それなら資料をまとめたものが、……西畑さん、もう行っていいわよ。」
『あ、はい…』
職員室へ向かう後ろ姿を見ながら、
やっと解放された、というのと
絶妙なタイミングの正門先生への感謝で、
なんだか複雑な気持ちになる。
目線こそ合ってはいないけど、
久しぶりに会えた正門先生は、
どこかいつもと違う様子にも見えた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぉんと
| 作成日時：2022年12月27日 22時
