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そこで会話が途切れ、空気が鎮まる。
というのも実に会話をするのは
あの数学を教えていた放課後ぶり。
どうしよう、何か話題ないか…
頭をフル回転させて、面談どうだった？
と、なんとか当たり障りない質問を捻り出した。
風「どう、って…まあ普通にだるい」
『まあそうだよね。親と先生と話すとか…』
風「あの新しい担任ウザいから、気ぃつけた方がいいほんま」
『安達先生？そうなんだ…？』
どんな風にウザいのか気になったものの
そこで会話が途切れてしまい、
またしても沈黙に包まれる。
そうだ…帰るって言えばいいじゃん！？
と思った時、「あのさ、」と呼び止められる。
風「最近なんか元気ないよな？」
『え……』
思ってもいなかった意外な切り口に
ぽかんと口を開けてしまう。
それに対して大西くんは
いつもよりも真面目な表情でいる。
そして少し申し訳なさそうに
「この前の俺のせい？」と続けた。
風「俺が、あんなことして悩ませたり、」
『い、いや！そんなことはない！』
風「え。」
『この前のこと、全然気にしてないし！元気ないように見えるとしたらそれは私個人のことで、本当に全然、大西くんのせいとかじゃ、』
風「あーうん。わかった、もうええわ。」
『あ…そう？』
風「(俺のことは全然かい)…はぁ。」
本音を言えば全然気にしてないわけではない。
というかめっちゃ意識はしている。
けどそれを伝えてこれ以上気まずくなるのも嫌だし、
大西くんの気を病ませてしまうのもなんだか。
そう思って違うよ、と伝えたら
なんだかさっきよりどっと疲れたような顔をされる。
なんでだ。
とその時、廊下の先を見慣れた人が通った。
その人は私たちのことを一瞬捉えると、
そのまま通り過ぎていってしまいそうで。
『っ、先生…』
その後ろ姿に思わず声をかけたら、
なんとか足を止めてくれた。
そして私たちの方を振り向き、
こんな時間まで何しとるん、といなすように言う。
正「もう下校時刻やで、早く帰りなさい」
『先生、あの、』
正「暗くなってきたな、2人方面同じやったっけ？」
風「まあ…」
正「そうか、じゃあ気いつけて」
『正門先生！』
正「…わからんとことかあるなら、また授業でな。先生まだ見回り残ってるから。」
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作者名：ふぉんと
| 作成日時：2022年12月27日 22時
