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side you
『じゃあ今の公式使って、これ解いてみて』
拓「えーまたぁ？」
『当たり前。ほら文句言わない！』
ある日の放課後、
西村が例の言うことを聞く権利を使ったのは
"数学を教えること"だった。
そんなことでいいのか？と思ったけど、
先生が変わってから1ミリも理解できてないらしい。
拓「えーっと、これがxだから3を入れてー、」
風「は？ちゃうやろ、そこは5やって。」
拓「いや3やん。てか5ってどっから出てきたん 笑」
風「一個前の計算でわかってるやん、お前ちゃんと聞いてないんバレるで？」
拓「そんなことないわ！」
そして同じくらいやばいのが大西くんらしく、
ならばいっそ3人で勉強することに。
ちなみに2人が揉めているxには
3でも5でもなく2が入るけどしばらく黙っておこう。
拓「あー喉渇いたー！Aなんか買ってきてー？」
『はぁぁ？なんで私が』
拓「俺らが問題解くの待つだけやったら暇やん？」
『調子乗んな。なんならこっちがお礼に奢ってほしいくらいだわ』
風「ほなじゃんけんで負けたやつにしよ」
そしてじゃんけんの結果、
買い出しに行くのは言い出しっぺの西村に。
へへん、いい気味だ。
拓「最悪やー。しかもふうが飲みたいやつ自販機にないやつやんー」
風「学校出てすぐのコンビニに売ってるから」
拓「はぁー。じゃあ行ってくるわー」
西村が教室を出て大西くんと2人。
最近なにかと3人でいる機会も増え、
大西くんとの空気にもそろそろ慣れてきた。
さ、じゃあ私は正門先生の復帰戦に向けて
予習でも進めようかな、とノートに集中していると、
「なあ、」と話しかけられる。
『ん？』
風「先生変わったのに、なんで理解できんの？」
『え？』
風「正門やから出来がよかったんちゃうん？」
『数学の話？』
風「そう。」
『あーそれは… ある程度予習してあったから…だから今やってる範囲はまあ、』
というのは半分本当で半分嘘。
たしかに正門先生の授業はわかりやすい。
けど私は授業中は内容聞くよりも
先生を拝むことの方が大事だから。
だからそっちに集中できるように、
自然と予習を頑張る癖がついた。
という不純な動機は黙っておく。
風「じゃあ褒められたくて予習してたのに、先生変わったってこと？」
『ま、まあそんな感じ？」
風「ふっ、なんやねんそれ。」
『(あ、また笑った…)』
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作者名：ふぉんと
| 作成日時：2022年12月27日 22時
