Inequality Love【Y.Masakado × F.Onishi】 (ページ17)

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side Masakado

大「ふわぁ〜、おはようさーん」

『でかい欠伸やな笑おはよう。』

全く隠す気のない欠伸をかます同期に
思わず苦笑いする。

いつもの学校からは少し離れた研修会場で、
連日早起きだから俺も眠いといえば眠い。

しかしそれもあと数日。
2週間の研修は終盤に差し掛かっていた。

"見て、西畑くん少し寝癖ついてる"

"ほんとだ、かわい〜"

『…だそうですけど？』

大「えー俺可愛い？あかんてほんまのこと言ったら〜」

『うわ、そのキャラだる。てか寝癖くらい直しぃや』

大「無理。眠い。」

遠巻きからのお褒めの声にもそろそろ慣れつつある。

俺と大吾の2人セットでいるのがツボらしく、
初日から女性陣にキャッキャ言われてる。

最初は愛想良く返してた部分もあったけど、
そのうちそれも面倒になってきて、
今では遠くからのささやき程度。

2週間の研修でしか会わない相手と
どうこうなろうとは思ってなかったし、
陰でこそこそ褒められても心動くことはなく。

大「そら普段あんだけ浴びるほど愛情表現されてたら、こんなんじゃ物足りひんやろ笑」

『浴びるほどって、誰から？』

大「おーれ♡」

『うーわ。』

大「の妹から。」

『……その件についてはあんま触れたないなぁ。』

大「可愛い可愛い妹に適当なことしたらしばく♡」

なんやかんやシスコンなこの男、
語尾の♡に対して目が本気だから怖い。

しばくも何も、まず教師と生徒の時点で
そもそも成立し得ないことだ。

今は熱心に向けてくれている気持ちも
きっと麻疹のようなもので、
時が経てば自然と落ち着いていくはず。

と何度も説明しているにも関わらず、
この男は毎度「しっかりな。」と言ってくる。

大「…まあしっかりしてほしいんはそれもやけど、」

『ん？』

大「もう1人、はっきりさせといた方がええんちゃう？」

そう言ってチラッと視線をやったのは
まだ再会して一度も話してはいないが、
痛いほどの視線を向けてくる存在。

『……せやなぁ。』

そんなすがるような目で見ないでほしい。

俺を振ったのはそっちじゃないか。

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