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正「…なんか絶望してるけど、大丈夫？」
『……研修最終日の飲み会で隣に座ってサラダ取り分けるような女には気をつけてくださいね。』
正「飛躍が凄い、てか飲み会なんてあるのか知らんし」
『本気で言ってます！！』
正「はいはいわかった、じゃあまた2週間後な〜」
『うぅっ…』
爽やかな笑顔と共に立ち去る後ろ姿。
ああ、私は2週間どうやって生きていけば。
拓「おぉーい生きてるー？」
『生きてない…』
拓「まだ3日目やで？」
始まった2週間の我慢生活、
序盤にして生気なく机に突っ伏す私に
西村が呆れてため息をついている。
だけど仕方ないじゃないか。
正門先生に会えない学校なんて、
何のために来ているのかわからない。
むしろ何の目的もないのに3日間も
休まず登校していることを誰か褒めてほしい。
拓「いや勉強しろよ笑 」
『うるさい。乙女心わからんやつは黙れ。』
拓「口悪っ！あーもう、しゃーないなぁ」
完全にふてくされた私に西村が
一枚のペラっとした半券を出した。
『…なにこれ？』
拓「駅前のスイーツビュッフェの割引券」
『くれるの！？ありがとう！』
拓「おい！ちゃうわ！！」
『なになに？これ一枚で3人まで？え〜誰誘おう〜』
拓「あほ！なんでこんなもんタダであげなあかんねん！返して！？」
チケットをめぐり攻防戦を繰り広げていると、
「拓哉、」と横から声がかかる。
誰かと思えば、ぎゃーすかしてる私たちを
冷ややかに見下ろす大西くんだった。
拓「あ、ふうさん。なに？」
風「あそこ、呼んでる。」
ん、と大西くんが顎で指した方を見れば
廊下にはどことなく緊張した面持ちの女の子。
これはあれか？いわゆるお呼び出し？
となぜか私がソワソワするのに対して、
当の西村本人は至って慣れた様子で
ちょっくらいってくるわ〜、と席を立つ。
風「……」
『…あ、これ。西村がくれた割引券。』
風「へぇ。興味ない。」
『あ、そうですか…ははは…』
ガン見してるから教えたというのに、
相変わらずの塩。
しかもそれで会話は途切れたのに
大西くんは特にその場から立ち去るわけでもなく。
なんなん、用がないなら戻ればいいのに…。
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作者名：ふぉんと
| 作成日時：2022年12月27日 22時
