5.4 ページ19
.
僕の言いたいこと伝わるかな？と聞かれ、
しっかりと頷く。
日々心掛けていることの延長上というか、
こうありたいと思うマネージャー像だと思った。
そしてそんな私を見て、副社長は笑った。
滝「普段の仕事ぶり、あとはさっきの話を聞いて、蒼山さんはその気持ちで溢れていると確信したよ。誰よりも彼らの才能を信じて、鼓舞して、押し上げようとしている。
僕はね、そんな人とこの会社を作っていきたいと思ってるんだ。だから君に成長して帰ってきてほしい。
…これで納得してもらえたかな？」
『……大変恐縮ですが、ありがとうございます。でも…』
信念を持って仕事をしてきたつもりだった、
だから評価してもらえたことは素直に嬉しかった。
だけど、じゃあすぐに決断できるかと言えば、
そうではなかった。
こんなチャンス、そうそうないことはわかっている。
だけど私は、彼らが上り詰めていく姿を、
すぐ近くで見守っていたい…
そんな気持ちもあった。
なかなか応えられずにいると、
副社長がもちろん、と続ける。
滝「今この場で返事を、とは言わない。人生全体のキャリアに関わることだしね。」
『…はい。』
滝「ただ、これ以上ない成長できるチャンスってことは断言するよ。ゆっくり考えてみて。」
『…わかりました。』
副社長の真剣な眼差しに、
わかりました、と答えるしかできない。
そんな重く、真剣な空気に包まれた中で、
阪本さんが蒼山、と切り出した。
阪「これは正真正銘の栄転だ。お前のことは一番近くで見てきた自負がある、だからこういった評価を受けていることは俺も誇らしい。」
『…阪本さん』
阪「それをふまえて、俺が今一番に思っていることはなんだと思う？」
阪本さんがこれまでで一番真面目な顔をしていた。
その様子にどんな言葉がくるのか、
緊張して身構える。
阪本さんはたっぷりの間のあと、こう言った。
阪「それはな…
なんで俺じゃないのよ！？ってことだ。」
『……え？』
阪「俺もめちゃくちゃあいつらのこと好きだし、めちゃくちゃ熱い気持ちで仕事してるつもりだよ！けど留学って…お前俺より昇進しちまうじゃねえか！！」
『す、すみません！』
阪「謝るな！虚しくなる！！」
『あの、えっと、じゃあ……』
謝ることを封じられ、
なんと言っていいのかわからなくなり焦る。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はっすんLOVE(プロフ) - 大橋和也推しですがAぇ! groupの中ではさのちぇ推しです！キュンキュンがとまらなくて、あっという間に読んでしまいました！こんないい作品と出会わせていただき本当にありがとうございました！！ (11月22日 23時) (
レス) @page50 id: fba4ba4a41 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉんと(プロフ) - まさやちゃんさん» ありがとうございます！ベタ惚れ年下わんこまさやを楽しんでいただけて嬉しいです！！ (2022年11月23日 11時) (レス) id: 448ad39150 (このIDを非表示/違反報告)
まさやちゃん - よすぎました。実際に私はまさや担でありまさやより7歳上です。設定は5歳差だけどまさやちゃんと年の差の女性のはなしですごく入り込んで読めました。 (2022年11月18日 15時) (レス) @page50 id: ae4eb103cc (このIDを非表示/違反報告)
ふぉんと(プロフ) - ちいさん» 素敵なコメントありがとうございます！自分の中の佐野くんイメージを詰め込んでいたので、そのようなお言葉をいただけて今とても安心しているのと、とっても嬉しいです( ; ; ) 今後また別のお話で出会えますように…！ (2022年3月13日 21時) (レス) id: 765da10685 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 完結おめでとうございます！可愛らしさや真っ直ぐな純粋さが詰まった佐野くんに魅了されて、キュンキュンしながら読んでいました！また、他にも素敵な作品が読めること期待しております！ (2022年3月13日 21時) (レス) @page50 id: 40fb126c86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぉんと
| 作成日時：2022年3月7日 14時
