Aぇちゅーぶの敏腕編集は今日も忙しい［2］ (ページ7)

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『わっ、』

小「おい、そろそろ始まるって」

誰かと思えば小島さんで、
後ろ側に引かれたおかげで握手の手から解放される。

くいくいっと指で指された方を向けば、
確かに準備が始まりそうな空気で。

声をかけてくれたのはありがたいが
何もフードを引っ張らなくても…と見上げると
なぜか新藤さんのことをじっと見つめる小島さん。

小「あんたも。新人なんやから手伝いとかあるやろ？」

新「っ、すみません、すぐ行きます！」

小「おう。」

ダッシュでいなくなる新藤さんを追って、
私も準備に向かおうとする。

しかし小島さんに腕を掴まれたかと思うと、
大丈夫か？と聞かれる。

『え…何がですか？』

小「いや、なんかビビってるように見えたから…」

その言葉に驚くと同時に一気に焦る。

側から見ててわかるくらいビビってたなんて、
新藤さんに大変失礼なことをしてしまったのでは…？

と思っていると、小島さんが「あっ！！」と慌て出す。

小「勘違いすんなよ！？」

『え？』

小「だから、お前と新藤さんが話してるとこを見てたとかじゃなくて…なんとなくやから！！」

『あ、そうですか…(良かった、ダダ漏れじゃなかった…)』

小「と、とにかく！お前が平気ならいいけど、」

『あ、いや…あんまり平気ではなかったので、ありがとうございます。』

事実、さっきは助かったので頭を下げつつ、
ありがたさと同時に申し訳なくもなる。

小島さんとの初対面も色々とやらかしてしまったし、
そろそろこの人見知りもいい加減にしないとな…。

と反省モードに入っていると、また「おい、」と言われる。

小「なんかあったら言えよ」

『え？』

小「お前、人に頼るの下手そうやから先に言っとく。困ったことがあったら俺に言え。いいな？」

ふざけてるのかと思いきや、
小島さんの顔は真剣そのもので逆に戸惑ってしまう。

でもなんで急にそんなことを…？と凝視していると、
すかさずデコピンが飛んできた。

『いだっ！』

小「はい！この話は終わり！お前もさっさと行け！！」

『は、はい…(呼び止めたのそっちでは…)』

いまいち腑に落ちないまま撮影準備をしながら、
小島さんにも優しい一面があるんだ…と
失礼ながら少しだけ感動してしまった。

まあ圧倒的によくわからないけど…。

そしてそんな私を新藤さんがじっと見ていたなんて、
その時は知る由もなかった。

# 新人さん fin.

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