0.10 ページ42
.
『初めましてっ、いつもあなたの動画の…いやなんか違うな。もっとこう初手でインパクトを…』
正「あれ、ごめん待たせた？」
お手洗い前の通路でどう声をかけるかを練習してたら
男用トイレからまっさんが出てきた。
違うと言えば「じゃあなに？」と首を捻られてしまう。
『だからその…例の人を待ってんねん』
正「例の…あ、編集さん？？えー俺も会ってみたい！」
『えっ！？それはあかん！』
正「なんでぇ？ええやん、ご挨拶したいし」
『いや俺の方が今日にかけてきた気持ちあるし、…ってあれ？』
なんで俺はまっさんを遠ざけようとしてるん。
別に一言お礼を言うくらい、
横にまっさんがいようと関係ないはずなのに。
けど、なんとなく初めて会えるこの時が
特別なものになる気がして…
特別？なにが？
なんか俺の思想どんどんキモくなってない？？
正「…なんか迷走してそうやな。」
『自分で自分がわからん…』
正「ようわからんけど、そこまで言うなら俺は戻るな？笑」
俺の覚悟？が伝わったのか戻っていくまっさん。
その背中を見送っていたら、
扉が開いて中から出てきた人が俺にぶつかる。
すみません、と謝るその人を認識した瞬間、
俺のちっぽけな葛藤はどこかへぶっ飛んだ。
『やっと見つけた。』
「へ、」
『あんたやな。俺の探してた人は』
黒髪ボブにパーカーとスキニーを合わせた姿は
決して垢抜けてはいない。
けど逃げないように掴んだ両肩の華奢さと、
重めの前髪から除く驚いた目を見た途端、
なぜか心臓がウッと痛くなる。
あかんあかん、なにドギマギしてんねん。
俺はただ、日頃の感謝を伝えたいだけで、
けっしてやましい気持ちは…
ところが、
『うごっ！？』
「ひぃぃぃぃっ！！」
気付いたら急所に一発くらって、
目の前から逃げ出すその子。
何が起きたのかわからず、
「はぁぁぁぁ！？」とパニックになる。
そのまま条件反射で追いかけると、
「いやぁぁぁ来ないでぇぇぇ！！」
『ちょっ、待て、逃げるなっ』
「怖いよぉぉうわぁぁぁぁんっ」
と、全力で逃げられる。
待って待って待って、俺なんかした！？
初対面なんやけど！？
追いかけながら心当たりを探すが何もない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 952人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はっすんLOVE(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！ (11月22日 21時) (
レス) @page50 id: fba4ba4a41 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉんと(プロフ) - もんびちぇさん» いつもありがとうございます☺️楽しんでいただけているようで何よりです！！今回は多分もんびちぇさんの推しが沢山登場すると思うので、引き続きお楽しみにしていただけたら嬉しいです！更新頑張ります！ (8月14日 0時) (レス) id: 765da10685 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 新作おめでとうございます！読ませていただいたんですがもう面白いです！笑更新楽しみにしています！更新頑張ってください~！ (8月13日 19時) (レス) @page7 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぉんと
| 作成日時：2023年8月13日 17時
