Aぇちゅーぶの敏腕編集は今日も忙しい

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これはあなたがAぇちゅーぶスタッフになるまでのお話。








『お世話になっております。神崎で、』

「もしもしAちゃん！？ごめん急遽なんだけどさぁ、一本お願いできないかなぁ！？」

『……締め切りは？』

「受けてくれるんだね！？ありがとう！！」







絶妙に会話が噛み合ってない。

こっちは締め切りを聞いてるだけなのに…。



とは言え荒川さんからのこの手の電話は
もう何度目かになるから、
仕方なく脳内でスケジュール調整を始める。







荒「引き受けてもらったところで言いづらいんだけど…」

『はい、』

荒「Aちゃんにとって悪い話が2個あるんだけど、どっちから聞きたい？？？」







そういうのって普通良い話と悪い話があって
そこから選ぶのでは？

どっちでも良いです、と言うと
つまんないなぁ〜と言いつつも
一つ目の悪い話、締切が2日後と伝えられる。



2日後かぁ…
まぁ他のと調整すればそれはなんとか…。

そしてもう一個の悪い話。それは…







荒「今回の素材、なんとジャニーズなんだよね。」

『えっ！？』

荒「まあでもどっちかって言うとお笑い寄りのグループだからさ！多分いけると思う！ってことで詳しいことはこの後のメール見といて〜！」

『ちょ、待って……はぁ』







半ば強引に切られた電話にため息をつくと、
早速メールが来た。

そこにはタレント情報のレジュメと、
編集用の素材がどっさり。

一つ目の素材を再生しながら、レジュメを開くと…








［どうも、Aぇ！groupでーす！！！］

『えぇ…ぐるーぷ…』








この時の私は、
まさかこの画面越しの賑やかな6人組と、
あんな風に関わるとは思っても見なかった。





神崎A
職業：フリーランス動画クリエイター











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side Ken






楽屋を開けると、先に来ていた大晴と晶哉が
なにやら携帯を覗き込んでいた。

おっすーと声をかけると、
2人は興奮気味に俺に振り向いた。







大「おお、こじけん！これ見て！！」

『ん、あぁ昨日上がったやつ？』

大「せやねん、やばいで！！」

晶「急上昇乗ってる！！」

『まじ！？』







その言葉に興奮しながら画面を見せてもらうと、
たしかにいつもの2倍くらい多い再生回数と、

"急上昇の動画 4位"の文字が目に入った。




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