【オリジナル】ひねくれちゃんと弄られくん

５話 ページ6

あの日から、ずっとそのネタを使って緒方を弄っていた。

まあ３回目位からは流し始めたけれど。

でも、面白くないなぁ...

何かネタ無いかな...

本当に面白いことが出来て良かったと思う。心からね。

アタシは人生が面白くなかった。

なんでもかんでも思い通り。

皆がアタシをチヤホヤして、可愛いと言ってくれて。

両親にも愛されて。

何もかもが上手く行き過ぎててた。

勉強もそれなりに。運動も出来て、見た目も良くて。いわゆるチートってやつだった。

だけど今は普通の生徒としてここに居れてる気がする。

誰にもチヤホヤされなくて。チヤホヤされないからむしろ自由に出来ている。

その空間が、心地よかったのかもしれない。



俺は夏生さんにある違和感にだんだん気づいてきた。

彼女は知っている。

自分にある魅力を、自分にある才能を。

だからあんなに余裕でいられて、だからあんなに気だるげな雰囲気なのだと知った。

俺は毎日弄られていて思う。彼女は人生を楽しんでいない、いや、暇なのかと。

まだ出会って一週間位しか経たない、しかもクラスメートの女子に対してここまで考えている自分が気持ち悪くなってきた。

まあ、まだ様子見かな。

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