夢の中で、君と出会って。 (ページ24)

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24. ページ24

廉はあのまま沈黙を貫いて、ふぅと切り替えるように息を洩らした。

永「ごめんな、何か気持ちの切り替えってむずいよな(笑)」

「うん。だから無理しないで。」

永「俺、頑張るから。明日も、これからも。弱気なってたらあかんなー(笑)」

正直、弱音を吐いてくれるのかなって思った。

…でも、きっと言ってしまうのが怖かったのかな。

廉なりの優しさなのかも。

永「明日はジーコもおるし、みんなおるし、俺の1番のファンのAちゃんもおってくれるからな！」

そうやって明るく振る舞うけれど、顔は少し引き攣っている。

不安とか、たぶん私に言ってくれようとここに連れてきたんだよね。

「うん。見てるよ！」

でも、本人が言ってくれるまでは私にできることは何もない。

せめてもの思いで、廉の頭を優しく撫でてみる。

永「…俺、ちゃんとやれるかな。」

「大丈夫！ファンはね、頑張ってる廉も好きやけど素直に辛いのを出してくれるのも嬉しいもんよ？」

そう言うと、廉の引き攣った表情が少し和らいだのがわかった。

永「Aちゃん、ちょっとだけハグしてもいい？」

「…うん。おいで？」

少しでも気持ちが落ち着くのならと頷くと、すぐに不安そうに私を強く抱きしめた。

それから廉の鼓動を感じながら、みんなが帰ってくるまで優しく背中を摩り続けた。

帰ってきたみんなは私たちの様子に気づいたみたいだけど、あえて普段通りに過ごしてくれていた。