お隣りの岸くん4 (ページ4)

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「…ふぅ。ミルクあげるだけでもこんなに大変なんやな。まじですげぇわ。」

「ありがとね。でも無理しなくていいよ？」

「ええねん気遣わんで。それよりさ、A、ちゃんと寝れてる？」

大真面目な顔でそう聞いてくるのは、きっと私の顔に全部出ちゃってるのかな。

優太からも、ちょっと聞いてたのかも。

「…正直、あんまり寝れてなかったよ。」

赤ちゃんって、寝ている間でさえも気が抜けない。

もしものことがあったらなんて考えて、全く目が離せなくて、眠れなくて。

それでもこの子をちゃんと育てないとって必死になって、自分を追い詰めてた。

優太が気づいてくれなかったら、今頃どうなってたのかな。

「…そっか。今度からは、ちゃんと頼ってな。俺、お前の親友やんけ。」

全部話したら苦しそうな顔をして、「いつでも俺ら味方やからな！」って念を押す。

「それに音羽は俺の子やしな。」

「は！？」

ちょうど買い出しから帰って来た優太はそれを聞いて大パニック(笑)

「岸さん、そういう意味ちゃうから(笑)」

「まじ焦った。やめろよ俺の奥さん口説くの。」

「だから俺人妻には興味ないって(笑)」

＂岸さんの子はキンプリの子やから。俺らにもちゃんと頼れよ。＂

生まれてすぐ、廉くんが言ってくれた言葉。

…いつも皆の優しさに助けられてばかりだな。