関係を巻き戻すには【stym】

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貴方side



さ「…関係あるって」

『え、？』

頭が追いついていない。急に聞かれて、返そうと思っても声が出ない。

この場所だけ空気が止まったようだ。さとにぃは私を真剣に見つめている。


さ「俺さ…ずっと親いなくて、個人院で育ったけど、昔住んでた場所戻りたくて…戻ってきた、」


私は、昔急に居なくなったさとにぃに意味が分からなくて、夜遅くに外に探しに飛び出してしまったことがある。

その時は無我夢中で出てしまって、疲れ果てたのかいつの間にか家の前にいて、寝てしまっていたということがあった。



さ「戻ってきて、初めに思ったのはAのことだったよ。自分でも分からないけど、なにより先にAのこと考えてた。」


さ「なぁ…二股してんの、、それなら俺だって」

『してないよっ…してるわけないでしょ…私は戻ってきたさとにぃが嬉しくて、大好きで、私だっ』



あぁ…なんで肝心な時に言えないの、、

『なんで…言いたいのに……』





さ「…今はいいよ。それで充分。」

どちらからともいわず、抱き合っていた。それは、恋人でも、友だちでも、なく家族の愛情のようなものだったような気がする。

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さ「俺帰るわ」

『うん。また明日ね』

さ「目、冷やしとけよ。明日腫れるとやだろ？」




イケメンだなぁ、そんなことを思いながらさとにぃが帰っていく背中を見送る。

明日はまた違う一日だと思うと、少し気持ちが上がった。

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