【君思ふ】戦国無双(短編夢小説) (ページ7)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:1,561 hit

其の七【茶会③】義トリオページ7

Aは三成が茶を差し置いて餅に注目がいっている事に対して、不満なのではと感じた。

「兼続殿、殿が用意してくれたこのお茶もとても極上でした。こちらもお土産に検討してみては…？」

三「！おい馬鹿っ、余計なことをするな」

気を利かせたつもりだったのだが、逆にお叱りを受けてしまった。

そして三成はAだけに聞こえるようにこう続けた。

三『まさか俺が、お前の餅に一本取られた事に不服だと思ったのか』

『そ、そうなのかと…』

三『馬鹿、俺はそんな度量の狭い人間ではない。…だが言っておく。誰にでも良い顔はしない事だ。誤解を招く』

『は、、はい』

正直今の兼続とのやり取りでどの辺りが誤解を招くのか分かり兼ねたが、大人しく従った。

ーー

幅広い事柄(主に義の在り方)について語り合い、気が付けば夕暮れ時で、そろそろ茶会もお開きとなる頃だった。

幸「今日は実に良い親睦会でした」

兼「本当だな」

二人は充実したというように顔を見合わせ、最後に開催者である三成に礼を述べた。

幸「A殿もお達者で」

「はい、ありがとうございます！幸村殿もお身体ご自愛ください」

兼「A、もし三成の元が限界だと感じたなら私の所へ来るが良い。いつでも歓迎するぞ！」

「えっそれは…」

三「おい、どう言う事なのだよ」

兼「ははっ、冗談だ。だが、歓迎するのは嘘ではないぞ」

三「勝手にうちの家臣を引き抜こうとするな」

戯れな会話を交わし、二人は馬に跨った。

Aと三成は並んで、夕日に向かって駆けていく二人の後ろ姿を見送った。

「行っちゃいましたね、、」

三「ああ」

二人の背中を見送ったあと、Aと三成はしばらく夕日に包まれる暖かな空間に立ち尽くしていた。