最初で最後の紅一点 Ⅵ (ページ44)

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弟ポジ（田村海琉）ページ44

『海琉！お菓子あるから一緒に食べよ！』

高校生になって「かっこいい」と言われたい年頃の俺だが、そんなことは関係なしのAちゃん。

自分で言うのもあれだが、口癖が「かわいい」なんじゃないかってくらい一言目には「海琉かわいい〜」だ。

そんなAちゃんにとって俺は弟ポジ。ファンからも俺とAちゃんで“姉弟”なんて呼ばれてたりで、お兄ちゃん組みたいに一歩進みたいなって考えるけどこのポジションもなかなか抜けだけない。

実際にAちゃんは頼りになって、お姉ちゃんって感じ。
悩んでる時はAちゃんから気づいてくれて話を聞いてくれるし、辛い時も隣にいてくれる。
そして嬉しいことは一緒に喜んでくれる。俺がドラマの出演が決まった時も連絡をくれた。

俺はAちゃんの泣いてるところは見たことがない。たぶんお兄ちゃん組は見たことがあるんだろうな〜

そこは超えられないお兄ちゃん組と弟ポジの俺の壁だけど、、、

「俺も食べたい！」

「それおいしいやつだ！」

『ダメ、海琉と2人で食べるお菓子なの！』

って。

だから、まだ弟ポジでもいいかなって思ってしまう。

.

「最近海琉が生意気な気がする」

「急にどうしたの、海琉はイケメンに育ってるよ」

「さっきAに俺が断られた時、勝ち誇った顔してた！」

「それは気のせいでしょ」

「ほら見てよ。あの2人の笑顔」

「うわー可愛いわ。2人可愛い。」

(深田/元木/内村/皇輝/深田/元木)