最初で最後の紅一点 Ⅴ (ページ1)

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喧嘩（元木湧）ページ1

川﨑皇輝side

『プリン食べたの誰！？』

「大橋くんじゃない？」

『その冗談面白くない』

「A怖いんだけど！」

買ったプリンがなくなったらしく、黒ちゃんの冗談を真顔で返す彼女は相当怒ってる。
確かに嬉しそうに持ってきてたし、食べようと思ったものがなかったら悲しいだろう。Aは悲しいを超えて怒ってるけれど。

　

「そんな怒んないで」

「食べてないかもしれないじゃん」

『ゴミ箱に容器捨ててあるの見えてます？』

俺らA以外のメンバーはそのプリンを食べた犯人を知っていて、その人をちらりと見ると顔には出ていないが“やばい”って思っているのだろう。いつもの明るい雰囲気か全くない。

　

Aが「食べたの誰なの！」って言っていると、楽屋前を優斗、がりさん、作ちゃんが通りかかった。

「え、Aどうしたの？」

「ちょーおこじゃん！笑」

『私のプリン誰か食べたの！』

そう言うと、がりさんが「あ、」っと何かを思い出したかのような声を出し、

　
「お前のかは知らないけど、元木がプリン食べてたの見たけど」

俺らの空気が凍った。