【75】・彼女自慢。 ページ9
『ナツメside』
豪華な朝ご飯を食べている私は、今頃ケースケ達がどうしてるか気になった。
別に寂しくは無いけど、いつも家で過ごしているからこうして旅館に居ると不思議な感じ。
ナツメ「(ケースケは友達と遊んでるのかな...)」
ボーッと考え事をしていると、隣に座ってるトウマが私の顔を覗き込んできた。
トウマ「ナツメ、大丈夫?さっきからボーッとしてるけど....」
急に顔が近くなって、びっくりする。
ナツメ「う、うん!大丈夫だよ!」
他の皆も心配そうな顔で私を見ていた。
エンマ「家族の事か?」
見透かしたような口調で、エンマ様が問い掛ける。
ナツメ「はい....でも、ウィスパーがケースケの傍に居ますし」
アキノリ「超怖がりのケースケなら、ウィスパーでも驚くだろうな」
トウマ「いきなり現れる時もあるよね」
ナツメ「それある!私でも驚くもん」
暫く話しながら食べていると、エンマ様はカイラ様を見て笑っていた。
エンマ「カイラ。お前、口元に付いてる」
カイラ「....?どこだ?」
口元に少し付いたカレーを取るエンマ様。
ナツメ「(ん....?)」
その絵面に私とアキノリ達はポカンとしていた。
アキノリ「お二人って、そういう事するんすね...」
やっていた本人様達が不思議な顔をすると、気付いた様子で距離を離した。
エンマ「悪い、変なとこ見せた。“彼女”にもやってるから、ついな」
アキノリ「えっ?彼女居るんですか?!」
エンマ「あぁ、可愛い彼女だ。俺にだけ見せる一面もあって、凄く魅力的なんだぞ」
彼女とは、絶対にAさんのこと。
....ていうか、今ちょっと自慢してたな。
ナツメ「(そりゃ彼氏であるエンマ様にしか見せないところがあるかもしれないけど....)」
私だって、Aさんのこと気になってるし。
(恋愛的な意味じゃなくて、憧れる存在って感じ)
アキノリ「どういう顔してんだよ、ナツメは....」
ナツメ「別に何も!」
『嫉妬した』なんて言えないし、私は無心で朝ご飯を食べ続けた。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時