【115】・親友達のこと。 ページ49
『Aside』
長らく部屋で過ごしてると、エンマが気になった様子で問い掛けてきた。
エンマ「シン達、此処に来てるんだな」
やっぱり聞いてくると思ってた質問だ。
A「うん、私も宿帳を見た時は驚いた。エンマはもう2人に会ったんだよね?」
エンマ「あぁ、2人で仲良く歩いてたぞ」
どこか空いてる時間があれば、シン達と会いたいなと心の中で思っていた。
エンマ「あの2人が結婚するとは思ってもなかった。そんな素振り、一度も見せなかったろ」
A「そうかな?シンは兎も角、タエの方は何となく分かりやすい感じだったけど。本人は、全く気付いて無かったみたいだよ」
人間のまま生きていたら、どっちが先に告白したとかいつ付き合ったのか分かるのになと考えてたりする。
今(妖怪)の生活も楽しくて良いけどね。
エンマ「2人とも鈍感だから気付くの遅いよな」
A「こら、そういう事すぐに言わないの」
思った事を真っ先に言うのは昔からの事。
A「シン達が聞いたら、きっと拗ねるよ」
エンマ「鈍感なところは事実だろ?予想斜め上の行動してくるから大変だった」
A「まぁ、予想斜め上の行動をしてくるのには否定出来ない」
妖魔界へ行くとなった時、2人は変なお面を被ってて流石にフォローする言葉が出なかった。
此処で楽しく過ごしていたいとこだが、もうそろそろお昼休憩も終わる頃だし仕事に戻らないと。
エンマ「お前が思ってる事、当ててやろうか?」
どういう事かと戸惑ってる私の頭を撫でて、エンマは口を開いた。
エンマ「仕事に戻らないといけない、でも此処に居て俺と話していたい。...合ってるか?」
返事の代わりに、私は首を縦に振る。
戻ろうとする気持ちと寂しい気持ちが混ざり、複雑な感情になる。
エンマ「本当、素直で可愛い彼女だ」
額にキスされ、優しく微笑まれた。
A「唇にはしないの?」
エンマ「抑えられなくなった俺に襲われても良いって言うなら唇にもしてやる」
この言葉に全力で拒否し、エンマの傍を離れる。
エンマ「その調子なら仕事に戻れそうだな」
顔が熱くなった私は、すぐ部屋を出て仕事の所に着くまでバクバクと鳴る鼓動を落ち着かせていた。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時