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【114】・慌てる彼と初心な反応。 ページ48

『Aside』
さっきより大分、落ち着いた様子で私の作ったデザートを食べてるエンマが可愛い。
表情も明るくなったし、もう大丈夫そうだ。

エンマ「そんな見られてると食いづらいな」
A「えっ?ご、ごめん....」

そして何を思ったのか、ふとエンマは容器に入ってるカットりんご飴を私の目の前に差し出した。

A「何してるの?」
エンマ「Aに食べさせようとしてる」

いや、うん...素直に答えてくれるのは嬉しいけど。

エンマ「早く食えよ、アイスが溶けてきてるだろ」

そう急かされる私は、エンマが差し出したりんご飴を食べた。
甘さ控えめに作ったから、りんご本来の味が口の中に広がって我ながら上手く出来たと思う。

A「(美味しい....)」

また作ろうかなと思っていた時、エンマの口元辺りに溶けたアイスクリームが付いてるのに気付く。
本人は全く気付いてないし、りんご飴に今は夢中。

A「エンマ、こっち向いて」

素直に顔を向けてくれた後、私はエンマの肩に触れて口元辺りに付いたアイスクリームを舐め取る。
ほんのり、甘いアイスクリームと生クリームの風味が舌に残った。

A「(よし、取れた)」

ちゃんと取れた事を確認して離れたら、顔が真っ赤で体も固まってる。

エンマ「そういう事を急にするな....」
A「自分だって同じような事するのに?」
エンマ「あれはAの反応が可愛いから、ついしたくなるだけで....って、何でニヤけてるんだよ」

困った顔して慌てては、私の方を見てムッとする。

A「い〜や、別に何も!」

不意打ちって時だけ、初心な反応を見せてくれる彼のことが愛おしい。
普段の時とは違って、余裕無さげな顔も見れるし。

エンマ「狡くなったよな、お前」
A「エンマだって意地悪じゃん」
エンマ「そう言うんなら教えてくれよ。どういう時に俺は意地悪なんだ?」

私の顎を掬い、目を合わせてきた。
言える筈も無くて、ただ身体中が熱くなっていくのを感じる。
昼時は軽く揶揄う事が多いけど、意地悪してくるのは夜の方が圧倒的に多い。

A「分かってて言わせようとしてるでしょ...!」
エンマ「答えになって無いぞ?」
A「話聞け!(完全にドSモード入ってる....)」

答えを言い出せずにいた私に、エンマは『時間切れ』と言ってキスをした。
意地悪なのは昼夜関係ないのかもしれない。

A「(でも、調子戻って良かった)」

疲れてたのが嘘みたく思えるが、そこは気にしないでいた。

【115】・親友達のこと。→←【113】・甘えたい時。



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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時

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