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【112】・お気に召したデザート。 ページ46

『Aside』
ナツメちゃん達にデザートを渡して、最後はエンマの部屋に行く。

A「失礼します、大王様」

声を掛けた後に襖を開けてみると、怪訝そうな表情を浮かべたエンマが机で仕事をしている姿が一番最初に見えた。

A「(何気に仕事してる姿は初めて見たかも)」

なんて事を考えていると、いつの間にかエンマの顔が真正面にあった。
目の前に来たと気付いた瞬間、軽く唇を重ねられる。
目を瞑る間も無くキスされて、呆然としてる私に対し満足そうな表情でエンマは笑っていた。

A「どうして急にキスしたりするんですか!」
エンマ「お前見てたらキスしたくなったんだ。あと、二人きりの時なら良いって言ってただろ?」
A「それは....確かに言いましたけど.....」

そして、私の頬を指先でスーッと撫でてきたエンマは意味ありげに微笑む。

エンマ「昨日の夜は、あんなに可愛くキスしたいって言ってたのに何で今日は嫌がるんだよ」

その口調は優しく、子供のように無邪気な顔で笑っていた。

A「(可愛いっ....)」

と思ってた時、また軽くキスされた。
やけに素直....というより甘えただ。

A「何か機嫌良いですね?」
エンマ「Aの作ったやつを食べられるからな」
A「(あっ、そういう理由なんだ....)」

この大王、最初っからデザートが目当てだったのか。
餌を欲しがる犬みたいに見えてきて、アレンジをしたカットりんご飴を渡すと嬉しそうに食べた。

A「美味しいですか?」
エンマ「あぁ、美味いぞ。お前の作ったものは何でも美味くなるのが良いところだな」
A「美味しいなら良かったです」

相当お気に召した様子で私も肩の力を抜いた。

A「さっきは珍しく、真面目に仕事してましたね」
エンマ「ぬらりが追加で持ってきたんだ。俺が宮殿に戻ったら、また仕事やらなくなるとか言い出すんだぞあの悪魔」
A「(絶対そうなるでしょうよ....)」

だけど、仕事を追加されてしまった本人としては多少ご不満な様子であった。

【113】・甘えたい時。→←【111】・他愛も無い会話。



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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時

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