【71】・嬉しかった大王様。 ページ5
『Aside』
呼ばれた本人も一瞬、目を見開いて驚いていた。
私は焦って、目を逸らす。
エンマ「猫又に釣られたか?」
A「は、はい....」
すると、エンマはフッと笑って後ろを向く。
多分、ツボったんだと思う。
A「ちょっと!笑うなんて酷いですよ!」
エンマ「悪い、悪かったって」
A「絶対に悪いって思ってませんよね?!」
“自分だって驚いてたくせに”と思ってると、エンマは私の近くに来た。
エンマ「嬉しかったんだよ、イツキって呼ばれて」
まさか、そう言われるとは思ってなくて固まる。
A「えっ....?」
エンマ「滅多に呼んでくれないだろ?だから、さっきのは凄く嬉しかった」
嬉しいのは分かったけど、皆の前で頭撫でてくるのはやめて欲しい。
(恥ずかしい+お客様に見られるのが心配)
カイラ「お前は人の目を気にしないのか....明らかに困っているだろう」
呆れた顔でエンマに対し、そう言うカイラさん。
彼も、私達の関係を知っている方の一人だ。
エンマ「俺達のことを気にしてる奴なんて居ねぇよ。皆、朝飯に夢中だぞ?」
そうでも無い...というか、存在感があり過ぎる。
アキノリ「いや、結構エンマ様って目立ちますよ」
トウマ「一緒に歩いてても、エンマ様を見てる妖怪は多いと思いますけどね」
ナツメ「まず、オーラが隠し切れてないんですって。金髪だし、目立った色の服着てるし」
エンマ「そんな言われるとは思って無かった」
この話は一旦終わりにして、エンマの個室座敷に皆を案内する。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時