【106】・彼氏の好きなところ。 ページ40
『Aside』
雑談をしていた中で、急に八鳳さんがこんな事を聞いてきた。
八鳳「Aってさ〜、エンマ大王の好きなところとかここに惚れたとかある?」
A「きゅ、急ですね....」
八鳳「何か、この質問だけ聞いてなかった気がする。で、超ハイスペな彼氏様の好きなところは?」
揶揄い口調だし、面白半分で聞いてるんだと思った。
A「大王様は普段、あまり表情を変えない人だから私の話を聞いたとこで、多分ですが八鳳さんは納得しなそう顔になると思いますよ」
ナツメちゃんと話していた時も、確か普段と違うって言われているから。
八鳳「それでも良いって。聞きたい」
仕方無いと思い、私はエンマの好きなところについて考える。
A「大王様のさり気無い気遣いや決めた事は絶対に曲げない性格を見て惚れたんだと思います。あとは凄く家族思いで、ちょっと不器用な人だけど仲間を大切にするところ.....ですかね」
八鳳「絶対に曲げない性格ねぇ。確かに、それは何か分かるかも」
不思議に思ってる私が首を傾げていると、八鳳さんは昔の事を言い出した。
八鳳「ほら、Aとエンマ大王が初めて此処の旅館で会った日の事」
A「あ〜....あれですか」
妖怪に生まれ変わって、私達が初めて会った日。
お互いに全く気付けなくて、最初はスルーしてたけど後から気付いたエンマに猛アプローチされてしまい挙句の果てに私が返事を言うまでは宮殿に帰ろうとしなかった。
八鳳「あれは本当に笑ったよ。Aの部屋に行こうとしたらさ、凄い形相のエンマ大王がアンタのことを壁ドンしてて私でも怖って思ったくらいだよ」
A「誰が見ても、そうなりますって」
まぁ、それも今となっては良い思い出だ。
あんな表情したエンマ、もう二度と見れないし。
八鳳「けど、そんなとこも含めて優しい大王のことを旦那さんにする気は未だに考えてない訳?めっちゃ良い結婚生活を送れると思うのに」
結婚する事を進められる。
A「ちょっとは考えてありますけど....」
そう話していると、時間も結構過ぎている事に気付き次の仕事をしなければならない。
八鳳「不安な事とかあったら言ってね」
A「(八鳳さん...)はい、ありがとうございます」
話は終わりにして、私と八鳳さんは次の仕事に向けて場所を移動した。
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作者名:カナミ | 作成日時:2024年2月7日 19時